コラム

● ホームページコンテンツの盗用と対応策

ネットビジネス全盛の昨今においては、ホームページ・ウェブサイトにおいて商品の販売やサービスの提供が広く行われており、各社ホームページの制作には力を入れていることと思います。
一方で、ホームページに関して、「うちのホームページが真似された」「HPの内容が勝手にコピーされた」「自社サイトのコンテンツがパクられた」「ホームページの記事を丸々パクられた」「サイトのデザインを丸パクリされた」といった話をしばしば見聞きします。

今般、JPBRANDZのHP上のデータについても、乃木坂特許商標事務所(代表弁理士 白浜秀二)の運営サイトRakunyにおいて、丸々盗用されていることが判明しました。
乃木坂特許商標事務所が盗用したデータは、JPBRANDZの旧データであり、最新データとは異なりますので、ご注意頂く必要があります。

HPコンテンツの複製・盗用は、著作権侵害であり、差止請求や損害賠償請求の対象となる他、刑事罰(10年以下の懲役または1000万円以下の罰金)が科される可能性もあります。
ただ、HPコンテンツの複製・盗用は、立証がなかなか難しく、泣き寝入りしている方も多いのではないでしょうか。
では、なぜ今回盗用を特定できたのか、以下にポイントや対応策を示して参りますので、比較図を参照しながらご一読ください。

まず、盗用サイトにおいては、デザインやレイアウトを若干変更してはいるものの、「商標登録 全世界対応」「200超の国と地域に完全対応!」「※はマドプロ加盟国」といった冒頭のキーワード・キャッチフレーズの文言が完全に一致する点が挙げられます。
ここで、“200ヶ国”ではなく、“200超の~”としているのは、商標権が取得できるのは、国だけではなく、例えばEUのような経済統合体としての広範な地域も含まれることがあるため、表現の正確性を期するよう独特な表現としているためであり、一般的な表記方法ではありません。

次に、国名については、JPBRANDZでは、ユーザーが国名を探し出しやすいようアイウエオ順とし、また、世界を「アジア」「欧州」「北米」「オセアニア」「アフリカ」「中東」「中南米」「カリブ」の8区分化し、より探し出し易くしています。
この点、例えば外務省では、「アジア」「大洋州」「北米」「中南米」「欧州」「中東」「アフリカ」の7区分としていますが、JPBRANDZでは「大洋州」を「オセアニア」と表現し、「カリブ」を追加するなど、各国の商標制度に即した独自の表現となっていますが、これらも寸分違わず盗用されています。

また、国名・地域名に関し、例えば、「ウェストバンク」については、日本では通常「ヨルダン川西岸地区」あるいは「ウエストバンク」と表記しますが、敢えて「ウェストバンク」若干表記を変えているところ、そのまま盗用されていることが分かります。
これは、辞書や辞典においても用いられる手法で、無断盗用を立証するため、敢えて記載内容に誤記等を残しておくことが実際に行われています。
同様に、「〇〇交響楽団」のCD音源などについても、無断盗用を見抜くため、意図的に本来とは異なる音を忍ばせておくことがあります。
なお、JPBRANDZでも、他にも敢えて独自表記や誤記を残してありますが、当然それらも丸々盗用・複製されています。

他方、「※はマドプロ加盟国」の「※」は、マドプロ加盟国が一目でわかるよう独自に表示したものですが、2017年8月以降、「※」表示の追記を行っていませんでした。
この点、2024年8月にHPの大幅修正を行った際に、タイ,インドネシア,アフガニスタン,マラウイ,サモア,カナダ,ブラジル,マレーシア,トリニダード・トバゴ,パキスタン,アラブ首長国連邦,ジャマイカ,チリ,カーボベルデ,ベリーズ,モーリシャス,カタールに「※」表示の追記したのですが、盗用されたデータは2017年8月時点の旧データであるため、これらの国に係る「※」表示が丸々抜けている一方、その他は全て完全に一致することから、当該特許事務所は、何も考えず、何も見ず、何の確認もせずに、ただただ丸々JPBRANDZの旧コンテンツを盗用・複製したということが、明確に判断できます。

以上のように、ホームページコンテンツの制作段階から、自ら手間を掛けて、独自の思想のもと独自の表現を用いることを意識し、また、意図的に複数の観点から盗用者に対するトラップを仕掛けておいたことで、今回の盗用・複製を見抜くことが出来ました。

世間には、「楽して稼ぎたい」「楽して儲けたい」「自分さえ良ければいい」「自分だけ得すればいい」「他者は利用するだけ利用する」といった風潮が蔓延し、遵法意識もモラルも極端に低下している中、ついには“知的財産に関する専門家”である弁理士が、著作権侵害に手を染めるという事案が発生してしまいました。

社会においては、小手先だけの調子のいい者ばかりが跋扈し、正直者が馬鹿を見る面があることは否めませんが、愚直に、正直に、独自のHPコンテンツを構築していくことが、自らの権利を護ることに繋がります。
また、昨今では、悪事は必ず暴かれるという社会傾向が見受けられることからしても、泣き寝入りしなくて済むよう、確りと対策を講じ、適切な証拠を確保したうえで、自己の権利を主張して行きましょう。

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